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米花美術館殺人事件の真相(名探偵コナン4巻) 2003/07/26(土) 01:17

 ※以前、コナン推理BBSに書いたものに加筆修正したものです。

 4巻FILE1〜FILE3、米花美術館殺人事件。
 コナン(新一)の助言と毛利探偵の推理により見事事件は解決した……ように見えるが、この事件には『裏の真相』がある……

 まず、この事件における新一の推理の問題点を二つ。

 ○作中で明確にはされていないが、ああいった全身を包む甲冑はかなりの重さががあるはずである。果たして年老いた落合館長に、甲冑を着たまま、真中オーナーを刺し殺すことができるものであるか?

 ○なぜ落合館長は色の出ないボールペンをいつまでも持ち歩いていたのか。物は小さなペン一つである。いくらでも捨てる場所はあったはずで、これをいつまでも持ち歩いていた理由は何か?

 この二つの事から考えられる結論は、おそらく一つしかあるまい。

 このボールペン自体も、窪田の名前が書かれたダイイングメッセージと同じく『仕組まれた証拠』であるのだ。

 では誰が仕組んだのか?

 言うまでもない事だが、それができたのは落合館長自身しかありえない。そう、落合館長は誰かを庇っているのだ。その誰かこそが、甲冑を着こみオーナーを殺した実行犯である。

 整理しよう。

 確かに新一の言う通り、この殺害方法は窪田のアリバイをなくす事が必要であり、それができるのは仕事を命じた館長だけである。少なくとも館長が犯行に関わっていた事は間違いない。しかし、実行犯は別にいる。
 それは誰か?
 作中に描かれていない第3者である可能性も0ではないが、やはり飯島であると考えるのが一番しっくりくる。
 ……というか、『作中に描かれていない第3者が共犯だったのだ〜』というのでは、さすがにミステリーとして成立していない(^_^;) 

 すなわち、館長はオーナーを現場に呼び、窪田のアリバイを無くす役を、そして飯島は殺害の実行を、それぞれ行ったのである。

 館長は『窪田の犯行に見せかけられればそれがベストであるが、もしもそれが巧くいかないようなら自身の単独犯として飯島の関与は開くまで否定する』こんな心積もりであったのであろう。
 実際、例え書けないペンであっても、上から文字を消そうとグリグリやったという事は新一が指摘するまでもなく、いずれ鑑識がみつけたはずであり、窪田の容疑はいずれ晴れた公算が高い。

 FILE2を読みなおして欲しい。飯島の発言は警察(および毛利探偵)を窪田犯人説へと強烈に導いているではないか……

 そして、だからこそ最後に館長は不適に笑いながら去っていったのである。

 以上が米花美術館殺人事件の真の実態である。
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