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図書館だより 1 2001/09/21(金) 21:15

<サボテンの花>宮部みゆき
 
 たぶんまたこの図書館だよりに登場するであろう、宮部みゆきの短編である。宮部みゆきといえば「理由」で直木賞を受賞。ミステリー界のプリンセスとも呼ばれる。有名なものは長編が多いが、短編にもいいものがたくさんある。今回はその中から。

 舞台は小学校。先生と子どもたちの話である。(短いのであんまり書くとネタバレになっていそうだ)担任も匙を投げた「崩壊したクラス」・・・卒業を前に彼らは何をしようとしているのか・・・?

 小学校の「学級崩壊」って聞いたことがあるだろうか。たぶん、今すでに大人になっている人たちには考えられない世界だろう。授業中に立ち歩く、教室を飛び出して授業をさぼる、奇声を発する、先生を集団で無視する・・・大人たちからはまるで、理解できない宇宙人のように見える。
 たしかに「キレる」のは子どもだし、「学級崩壊」させるのも子ども自身だ。しかし、それはやっぱり大人が悪いのだと、指導者や保護者によっては生きる子どももたくさんいるのだということだと思う。そして、子どもたちもそのことは充分承知しているのだ。子どもたちから教頭先生への手紙の最後にある「ありがとう」にはそうした意味も込められているのだと思う。
 ま、そんな小難しい教育論は脇においといてもちょっとしんみりしたい人は読んでみて下さい。
 あなたの周りの宇宙人たちが人間に見えてくるはずだから。

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