●LED LENSER レッドレンザー M5

基本データ
※1.2V のエネループは使用できないとの情報があったのですが、実際に使ってみると問題なく使えました。

●基本操作・操作性について

基本操作

ボタンはテールスイッチ1つしかなく、このテールスイッチで 『ON / OFF』、『モード切り替え』 の全てを行います。
基本的には、カチッと音がするまで押し込んで 『ON / OFF』、半押しを繰り返して 『モード選択』、その選択した状態からカチッと押し込んで 『そのモードで使用』 というスタイルとなっています。

モード選択は 『パワーモード』 → 『エコノミーモード』 → 『ストロボ点滅』 → 『パワーモードに戻る』 の順で切り替わります。

モードのメモリー機能は無く、消灯状態からスイッチを押すと必ず 『パワーモード』 から始まります。
ただし、何らかのモードで使用している状態から一旦スイッチを切って、その後
約1秒以内
に再びスイッチを入れると、上のモード順の 『先に使用していたモードの次のモード』 で点灯します。

●M5 の特徴 『ズーム機能』

LED LENSER M5 の最大の特徴とも言える機能として、照射角度を ”拡散照射” 〜 ”スポット照射” に無段階で調整できる
『ズーム機能』
が搭載されています。

このズーミングはヘッド部分を伸縮させることで調整できて、『縮めた時 = 広角照射』、『伸ばした時 = スポット照射』 となります。
広角照射 スポット照射

●照射は ”ウルトラフラット”!!

こちらでご紹介しましたように、一般的 (一般的だと思うのですが) に、LED の照射タイプは 『拡散タイプ』 と 『スポットタイプ』 に分かれるのですが、そのどちらの場合でも、照射された範囲の中には少なからず
中心光部分
ができるものです。

ところが LED LEDSER M5 の場合はその
中心光部分
がほぼまったく見当たらず、少なくとも筆者的には今まで見たこともないような
ウルトラフラット
(←筆者の造語) な光束となっています。
筆者が今まで所有していた中で最もフラットな配光で照射するのが FENIX LD15 だったのですが、その LD15 と比較しても、照射面には以下のような違いがでます。
FENIX LD15
117ルーメン
LED LENSER M5
140ルーメン
この照射は好みが分かれそうな気がするのですが、今まで左のタイプの照射面に慣れている人は、初めて使用した時はちょっと違和感を感じるかも知れません。 というか実は筆者自身がそうでした。
ただ、ある程度慣れてくると、この周辺部分ギリギリまで平均して照らし出してくれる配光の、優位性というか長所のようなものも感じられるようになって来るかも知れません。

ところで、このとき 140ルーメンの M5 (右) より 117ルーメンの LD15 (左) の方が中心部分は明るくなっているのですが、これも 先ほどのページ で触れていました
『明るさに及ぼす影響は、LED 自体の発光量より照射角度に依存する度合いの方が大きい』
ためで、この右上の状態からスポット照射にズーミングしていくと以下のようになります。
LED LENSER M5
ややスポット照射
LED LENSER M5
最大スポット照射
後述しますが、最大スポット照射まで絞り込んだ照射面は相当に明るくなります。

ただ、写真ではちょっと分かりにくいのですが、”拡散照射” から ”スポット照射” にズーミングしていく途中の状態では、搭載レンズの屈折的な特性と思われるのですが
中心より円周付近の周辺部の方が明るく
なります。
この点に関しては、明らかに使いにくい配光になると思います。

光の色について

色温度はやや高めの寒色系の印象で、全体的に青みが掛かった感じになります。
恐らく、推定で 6200K あたりになるような気がします。 筆者の所有ライトの中で、実使用では 『FENIX LD15』 が最も白色に近い印象なので、色味比較として並べて撮影してみました。
左:FENIX LD15(Low:8lm) / 右:LED LENSER M5(Eco:21lm)
撮影データ:Canon PowershotS100 マニュアル F2.0 1/40 ISO200 WB曇り
ご覧のように、LED LENSER M5 の方が青みが強い色味となります。
ただ、筆者の場合は、実際の使用では 『ちょっと寒色系な色味かな?』 と思える程度で、さほど大きな違和感や不満は感じません。
この辺の感覚は、使う人が、もともと 『寒色好み寄り』 か 『暖色好み寄り』 かで変わってくると思います。

照射例&比較

照射例&比較1
※川を挟んだ対岸の建物に向けて照射しています。 建物までの距離約22m。
(それぞれ画像クリックで拡大します)
FENIX LD15
(比較参考)
117ルーメン
※拡散照射タイプのモデルです。
LED LENSER M5

140ルーメン / 最大拡散照射
LED LENSER M5

140ルーメン / 最大スポット照射
FENIX PD22
(比較参考)
190ルーメン
※ややスポット照射寄りのモデルです。
SUNWAYMAN V10A XML
(比較参考)
480ルーメン
※拡散照射タイプのモデルです。
照射例&比較2
※神社の石階段を見上げる形で照射。
FENIX LD15
(比較参考)
117ルーメン
※拡散照射タイプのモデルです。
LED LENSER M5

140ルーメン / 最大拡散照射
LED LENSER M5

140ルーメン / 中間辺りまで絞った照射
LED LENSER M5

140ルーメン / 最大スポット照射
FENIX PD22
(比較参考)
190ルーメン
※ややスポット照射寄りのモデルです。
SUNWAYMAN V10A XML
(比較参考)
480ルーメン
※拡散照射タイプのモデルです。
照射例&比較3
※神社の石階段を見上げる形で照射。
FENIX LD15
(比較参考)
117ルーメン
※拡散照射タイプのモデルです。
LED LENSER M5

140ルーメン / 最大拡散照射
LED LENSER M5

140ルーメン / 中間辺りまで絞った照射
LED LENSER M5

140ルーメン / 最大スポット照射
FENIX PD22
(比較参考)
190ルーメン
※ややスポット照射寄りのモデルです。
SUNWAYMAN V10A XML
(比較参考)
480ルーメン
※拡散照射タイプのモデルです。

LED LENSER M5 を使ってみて ☆ まとめ

このライトの一番の特徴は 『照射角のズーム機能』 だと思うのですが、実は筆者自身、このズーム機能を備えたライトを使うのはこれが初めてでした。

広角端の超フラットな照射にも驚きましたが、140ルーメンの照度を1点に集めるスポット端の明るさは相当なもので、上の比較画像を見て頂くとお分かりの通り、
スポット照射面だけを見れば拡散タイプの480ルーメンよりも明るく
なります。

もちろん、『それが日常使いとして使いやすいかどうか』 となるとまた別のお話しになってくるかとは思うのですが、とりあえず、


『操作性や光束の特徴など、ある程度の慣れ・馴染みは必要になりそうだけど、手元〜近距離を主体に、慣れてくれば中距離〜40mあたりまでもカバー出来そうな、使いこなせるよう努力・工夫する事が楽しく感じられる一本』


と、言えそうな気がします。


●手元〜足元 (20cm〜3m)
・手元作業 : ○ (ただしフラットな光束に慣れが必要)
・徒歩 : ○ (同上)
・室内サーチ : ○ (同上)
●近距離レンジ (5m〜10m)
・近距離サーチ : ◎
・低速自転車 : △ (ただし照射範囲は狭めなので要注意)
●中距離レンジ (15m〜20m)
・中距離サーチ : ○ (ただし小さ目のスポット照射に慣れが必要)
・高速自転車 : ×
●遠距離レンジ (25m〜30m)
・遠距離サーチ : △ (使えないことはなさそう)

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