『悲恋湖伝説殺人事件』 に関する検証
 ●犯人はなぜジェイソンになり一度死んだのか?
 ●投稿者:KK
 ●検証タイプ:その他発見
 | 初稿:2013/06/20 00:31 | 最終稿:2013/06/20 00:31 | 編集回数:0 |

 この事件は、非常に悲しい物語として記憶に残っている人も多いと思います。犯人は豪華客船の沈没事故で亡くなった恋人のために、イニシャルがSKの乗客をピックアップし殺害していく。しかも、その恋人が美雪そっくりで妹だった。

 まず、問題にしたいのは「なぜ、ジェイソンになったのか?」

 ラジオから「“ジェイソン”こと刀丸猛人が、ロッジから20キロほど離れた刑務所を脱走」というニュースが聞こえてくる。ところが、この犯人はすでに“死刑”にされていることが事件後明らかにされている。かなり悲惨な事件だったため、覚えている人も多いはず。あれだけ記憶力のいい容疑者たちが誰も気づかなかったのは幸運だった。特にジャーナリストのいつきが気づかなかったのは、よほど運がよかったのであろう。しかし、イニシャルSK全員を殺し目的を果たしたら、一と美雪が警察にジェイソンのことを話すはず。そうなると事実じゃないことに気づく。

「犯人はジェイソンが死刑になったことを知らなかったのではないか」


 もうひとつの問題は「なぜ、犯人は一度死んだのか?」

 犯人は美雪のケガの責任を背負って、湖のボートに乗って助けをもとめに行った。ところが死体となって戻ってきて、一同ショックを受けた。しかし、この死体は美雪のいとこ・橘川なのである。いくら顔をつぶして服を着せたとしても、別人と気づかないのだろうか?よほど体型がそっくりだったのだろう。

 問題はさらに続く。犯人は“死んだ”ことになっている。この事件が掲載されたときは、真犯人に驚いた読者も多かったと思われる。でも、考えてほしい。あとで警察が来れば、ボートの死体が橘川であることが確実にバレる。そうなると「死体のない人物が犯人」があやしいということになる。


 一が真相を解かなくても、いずれ捕まる運命だったのである。被害者を4人で食い止めた金田一は、よくやったといえる。


*投稿者-KK さん専用 / PW
+ + commented by 臨也 + + at 2015/08/17 04:09 ×

犯人の当初の計画がまずわかりません。
描写から察するに、最初の夜に全員殺す計画だったものが、橘川が参加していないことに気付いて、「ジェイソン」を登場させたように感じます。

だとしたらあの用意周到さは何なんでしょう。
偽ニュースの録音(誰の声だ?)とか。

もともと、ジェイソンを印象付けて、恐怖を味わわせながら1人ずつ殺していく復讐計画だったような気がします。

犯人も最初から逃げる気などなく、復讐を果たしたら悲恋湖に身を投げる予定だったんじゃないでしょうか。

もし一の正体がばれなかったら、誤って殺されていた…なんてこともあったかもしれません。


ジェイソンについて。
現実には死刑囚は拘置所に収容され、そこで執行されます。
彼の場合は埼玉県で事件を起こしているので、東京拘置所にいたはず(あるいは病気が悪化して八王子医療刑務所に移送された可能性あり)。
長野県の山奥の刑務所にいることは絶対にありません。

死刑の執行は今でこそ公表されますが、昔は執行の事実すら非公表でした。
しかし、ジェイソンほどの凶悪犯となれば漏れるはずなんですけどね。

+ + commented by jeanne + + at 2021/03/02 22:04 ×

なるほど、イニシャルSKの面々の素性も調べていたらジャーナリストのいつきさんが
ジェイソンがすでに執行されていることを思い出してしまうリスクがありますね…。
自決することを想定していたら、あくまで全員抹殺するか途中で彼女を見放した人物が分かり始末できたらいいので
手間がかかるラジオのトリック自体が実は不要だったのでしょうか。



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